The Mysterious Stranger

The Mysterious Stranger: By Mark Twain - Illustrated The Mysterious Stranger (English Edition)
The Mysterious Stranger
The Mysterious Stranger (Kindle版)
著者:Mark Twain
発表年:1916
オススメ度:★★★★
英語難易度:★★
読了日:2018.02.24

あらすじ

舞台は、1590年、オーストリアの小さな村。
語り手の少年、Theodor、その友達、SeppiとNikolausは、楽しい少年時代を送っていた。
そんなある日、未来を予知できたり、人の運命を操ることができる、不思議な能力を持つ、Satanと呼ばれる少年が姿を現す。
彼がやって来てから、Theodor達は、様々な出来事を体験することに・・・

私の感想、レビュー

この作品は、日本語では、「不思議な少年」と訳されている、マーク・トウェインの最後の小説です。

私は、ディケンズのような文体を想像していたので、思っていたより、英語が読みやすくてびっくりしました。(一部、編集者によって手を加えられた物らしいのですが)

英検準1級くらいの実力があれば、辞書なしで十分楽しめると思われます。

And yet he is such an unreasoning creature that he is not able to perceive that the Moral Sense degrades him to the bottom layer of animated beings and is a shameful possession.

I know your race. It is made up of sheep. It is governed by minorities, seldom or never by majorities. It suppresses its feelings and its beliefs and follows the handful that makes the most noise.

Monarchies, aristocracies, and religions are all based upon that large defect in your race - the individual's distrust of his neighbor, and his desire, for safety's or comfort's sake, to stand well in his neighbor's eye.

For your race, in its poverty, has unquestionably one really effective weapon - laughter.

神や道徳という概念を支配の道具にする、一部の権力者たちのやり方
無知からか、力を持つ人間に逆らうことへの恐れか、すぐに権威の言いなりになる民衆
自分が権威の言いなりになるだけでは飽き足らず、他の人間にもそれを強いる同調圧力
同調圧力に屈しない人間、権威の言いなりにならない人間を、異端として裁きたがる集団心理

などなど、内容は、これでもかというくらい、人間の醜さと愚かさを描いたものなのですが、21世紀初頭の人類もそのままなので、思わず共感してしまいました。

そんな、Satanの語り口は、スカッとしますし(少なくとも、私には)、長編というより中編といったくらいの短さですので、読みやすくて、ストーリーも面白い、素晴らしい作品だと思います。

しかし、Nikolausの話は、ただただ悲しかったです苦笑
あの辺りは、読んでいて、「昨日公園」という作品を思い出しました。