The Devils of Loudun

The Devils of Loudun
The Devils of Loudun
著者:Aldous Huxley
発表年:1952
オススメ度:★★★★
英語難易度:★★★★
読了日:2020.01.27

あらすじ

舞台は、17世紀のフランス。
男前で好色で厚顔な司祭、ユルバン・グランディエは、持ち前の美貌と教養で色々な女性と関係を持ち、多くの敵を作ってしまう。
彼に自分の妻や娘を弄ばれた者、彼の才能や美貌に嫉妬する者、彼の失礼な態度に腹を立てる者は、グランディエへの復讐の機会をずっと窺っていた。
そんな中、ある一人の修道女、ジャンヌ・デ・サンジュは、彼に恋心を抱く。
それから・・・

私の感想、レビュー

1630年代、フランス、ルーダンで実際に起きた「The Loudun possessions」と呼ばれる魔女裁判事件を扱った、ハクスリーによるノンフィクション作品、この度、初めて読みましたが、めちゃくちゃ面白かったです!
(もちろん、実際にあった、本当に悲惨な事件ですので、あくまでも、「本として」です)

Urbain Grandierと、Jeanne Des Anges、そして、ジャンヌの悪魔祓いを担当した、Jean-Joseph Surin、この三人の生涯を中心に、事件の背景が描かれていますが、途中、民俗学的な考察、神秘哲学、宗教体験から、フロイトや潜在意識、唯識思想のような話まで、かなりのページが割いてあり、とても興味深く読みました。

ただ、虚栄心、盲信、罪という洗脳、復讐心や嫉妬心、リンチの群集心理、人を罰したい正義感という名の暴力、人に苦しんで欲しいという欲望、というような人間の残酷さ、また、そんな自分を正当化するための倫理武装や論理武装などなど、人間の醜さが、これでもかというくらい描かれていますので、本としてとっても面白かったのですが、人間って本当に勝手だなあ(もちろん、私も含めてです)という感じで笑、正直、お腹いっぱいになりました笑

また、読んでいて、以下の言葉を思い出しました笑

Do you realize that all great literature is all about what a bummer it is to be a human being?
By Kurt Vonnegut「A Man Without a Country」より

ちなみに、英語に関しては、難易度はかなり高めです。

内容自体が、抽象的だったり専門的だったりして高度で、難しい単語もたくさん出てきます。

例えば、 Carmelite、Capuchin、Carthusian、ciborium、novena、chasuble、tabernacle、reliquary、glossolalia、peripatetic、actuarial、energumen、pleurisy、osteitis、というような単語です。

さらに、フランス語もちょくちょく出てきて、訳文が無いことが多く、また、ラテン語もたまに出てきますので、辞書なしで読むには、フランス語とラテン語の知識も必要です。(私は、英語も含めて、分からない単語は、ネットで調べながら読みました。)

そんな感じで、英語も難しく、内容も高度、そして本当に残酷な話なので、読むのに骨が折れる本でしたが、最後の「Appendix」の「self-transcendence」についてまで、とても興味深く、素晴らしい作品でした!