Island

Island
Island
著者:Aldous Huxley
発表年:1962
オススメ度:★★★★
英語難易度:★★★
読了日:2019.08.23

あらすじ

舞台は、東南アジアの架空の島、Pala。
石油王、Joseph Aldehydeの使い、Will Farnabyは、石油の利権を求めて、禁断の島、Palaへ漂着を装い密入国する。
そこで彼が見たものは・・・

私の感想、レビュー

執筆に5年かかったという、ハクスリーが残した最後の小説、「島」。

舞台が熱帯の島なので、夏に合うかなあと思い、ずっと前から、今年の8月に読もう!と思っていたこの作品、この度、読み終えました。

感想は、一番有名な、「Brave New World」に、負けず劣らずの面白さでした!

全編のほとんどが、Willが、Palaの人たちから話を聞くといった内容なのですが、その話の内容が、ハクスリーが晩年、傾倒していたという、ジャイナ教、ヒンドゥー教、仏教などの、東洋思想や神秘主義の話で、これが面白く、惹き込まれました!

また、その島独特の制度や教育論は、ハクスリーの考える桃源郷のような世界で、これも興味深かったです。

以下のような、書き留めておきたくなる文章も数多く出てきました。

They knew how misery is related to mind. You cling, you crave, you assert yourself - and you live in a home-made hell. You become detached - and you live in peace.

Distance reminds us that there's a lot more to the universe than just people - that there's even a lot more to people than just people.

Lightly child, lightly. Learn to do everything lightly. Yes, feel lightly even though you're feeling deeply. Just lightly let things happen and lightly cope with them. I was so preposterously serious in those days, such a humourless little prig. Lightly, lightly - it was the best advice ever given me.

英語に関しては、難しい単語もたくさん出てきますが、私の主観では「Brave New World」のほうが難しかった印象で、英検1級くらいの実力があれば十分楽しめると思います。

ただ、英語だけでなく、たまに、フランス語、ドイツ語、ラテン語、サンスクリット語、また、人名も多く出てきますので、私は、ここ数年、英語の本は、ほぼまったく辞書を引かずに読んできたのですが、本作は、久しぶりに、WiktionaryとWikipediaで調べながら読みました。

特にサンスクリット語は、知らないものが多く、例えば、Tat Tvam Asi(梵我一如)、Mahayana(大乗仏教)、arhat(阿羅漢)、tathagata(如来)、moksha(解脱)、Prajnaparamita(般若心経)、karuna(慈悲)、Sunyata(空)、などなど、日本語では知っていても、サンスクリット語のローマ字表記になると知らないものも多かったです。

以上こんな感じで、次々に色々なことが起こるストーリー重視ではなく、会話が主体の思想書のような雰囲気で、特に東洋思想や神秘主義に興味がある方には、たまらない作品だと思います!