The Sirens of Titan

The Sirens Of Titan (S.F. Masterworks)
The Sirens Of Titan
著者:Kurt Vonnegut
発表年:1959
オススメ度:★★★★
英語難易度:★★★★
読了日:2017.12.13

あらすじ

時は22世紀、アメリカで一番の大富豪、Malachi Constantは、ある日、地球から火星、火星から水星、水星から土星の衛星であるタイタンへ、宇宙放浪の旅をさせられることに・・・

私の感想、レビュー

「猫のゆりかご」「スローターハウス5」に並んで、アメリカの人気SF作家、カート・ヴォネガットの代表作の一つ、「タイタンの妖女」、ずっと気になっていたのに手にしていなかったこの作品、この度、はじめて読みました。

正直、ストーリーは、めちゃくちゃ面白い!というわけではありませんが、その独特の世界観と、特に、人生について、示唆に富んだ内容が、読んでいて面白くて、とても楽しめました!

ただ、英語は、結構難しめで、英検1級の一次試験をギリギリ合格できるレベルの語彙力だと、辞書なしで、十分、楽しめると思いますが、まだまだ難しい単語も、たくさん出てきます。

例えば、「doctor」は「医者」という意味のほかに、「書類を改ざんする」とか「毒を盛る」というような意味でも使われます。

また、タイトルの「siren」は「警報装置」という意味のほかに、その魅惑的な歌と声で、船乗りを誘い、船を沈めてしまうと言われている、半分は人間の女性、半分は鳥の姿をした、ギリシャ神話に出てくる怪物のことで、転じて、魅力的だけど危険な女性、いわゆる、魔性の女というような意味でも使われ、邦題では「妖女」と訳されています。

こんな感じで、単語は知っているけど、その語義は知らない、というような、ところも結構あったり、ヴォネガット特有の、造語や独特な比喩表現が、たくさん出てきて、ストーリーもワケが分からないところが多いので、一度読んだだけでは「???」というところも多いかと思います。

Any man who would change the World in a significant way must have showmanship, a genial willingness to shed other people's blood, and a plausible new religion to introduce during the brief period of repentance and horror that usually follows bloodshed.

“Why thank God?” said Redwine. “He doesn't care what happens to you. He didn't go to any trouble to get you here safe and sound, any more than He would go to the trouble to kill you.”

His poor soul was flooded with pleasure as he realized that one friend was all that a man needed in order to be well-supplied with friendship.

また、上記のように、ヴォネガットの作品はみんなそうなのですが、覚えておきたい箴言がたくさん出てきて、それも魅力的です。

ほかにも、引用したい文章がたくさん出てくるのですが、ネタバレになってしまうといけないので、控えます。

人を利用したり、人から利用されたりすること、愛や、人が生きる目的について、BeatriceやMalachiの悟りは、100パーセント共感できるわけではありませんが、ヴォネガットの作品は押しつけがましくないので、割と抵抗なく受け入れられるところも良いですね。

太陽系の惑星やその衛星を次々と移動していく物語のスケールの壮大さや、その世界観がとにかく魅力的で、私は、より共感できるのは「Cat's Cradle(猫のゆりかご)」や「Slapstick, or Lonesome No More!(スラップスティック)」なのですが、本作「タイタンの妖女」も、同じくらい素晴らしく、何度も読み返したくなる作品です。

ちなみに、私は、Saloが大好きです♪