The Moon and Sixpence

The Moon and Sixpence (Penguin Classics)
The Moon and Sixpence
著者:W. Somerset Maugham
発表年:1919
オススメ度:★★★★★
英語難易度:★★★
読了日:2015.07.05

あらすじ

語り手の作家は、ひょんなことから、Charles Stricklandという男と出会う。
出会った時、Charles Stricklandは、そんなに特徴のない、普通の株式仲買人に見えたが、彼は、ある日突然・・・。

私の感想、レビュー

モームは、「人間の絆」が素晴らしかったので、もっと彼の作品を読んでみたくなり、同じくらい有名な、この「月と六ペンス」を読んでみました。
感想は、またまた、素晴らしい!の一言で笑、評価は、文句なしの、星5点(★★★★★)満点です!

まず、ストーリーが面白い!
なるべく、ゆっくり味わって読もうと思っていたのに、先が気になって、止まらなくなり、一気に読んでしまいました。
「人間の絆」は、ペーパーバックサイズで700ページくらいありますが、この「月と六ペンス」は、200ページくらいしかなく、一つの章も短いので、展開がより早く感じたことも、一気に読んでしまった理由かと思います。

I should be thrice a fool if I did it for aught but my own entertainment.

impropriety is the soul of wit

I did not realise how motley are the qualities that go to make up a human being. Now I am well aware that pettiness and grandeur, malice and charity, hatred and love, can find place side by side in the same human heart.

It is not true that suffering ennobles the character; happiness does that sometimes, but suffering, for the most part, makes men petty and vindictive.

上記の他にも、モームの、人間や物事の本質を見抜いた文が所々出てきて、そこは、何度も繰り返し読みたくなります。
文章も本当に綺麗で、単純に読んでいて心地の良いものがありました。

舞台も、ロンドン、パリ、タヒチと、変わり、旅行に行ったような気分も味わえます。
特に、タヒチのシーンは、私は、「いいなあ〜こんな所に住みたいなあ〜」と読んでいて思いました。

19世紀末のフランスの画家、ポール・ゴーギャンが、Charles Stricklandのモデルで、美術に関しては、私は今現在、知識皆無ですが笑、絵の世界についても、興味が湧いてきました。
もともと、芸術、特に、西洋絵画の世界に詳しい方なら、より楽しめるのではないかと思います。

英語に関してですが、モームの文章は、私の主観ですが、格調が高く感じ、難易度は高めだと思います。
英検1級レベルの実力があれば、辞書なしで十分楽しめると思いますが、難しい単語が結構出てきたり、簡単な単語に見えても、「archaic」な用法で使われているものも結構ありました。

といっても、不可解なわけではなく、文体が綺麗で、文章自体は、読みやすいです。
ほんの少し、フランス語も出てきますが、私でも辞書なしでほとんど分かるレベルですので、初級フランス語の知識があれば、問題なく理解できると思います。

ストーリーの面白さと言い、文体の美しさと言い、所々出てくる、人間や物事の本質を見抜いた文と言い、小説として本当に魅力的で、「人間の絆」と並んでこれまた傑作です!