Steppenwolf

Steppenwolf (Penguin Essentials)
Steppenwolf
著者:Hermann Hesse
発表年:1927
オススメ度:★★★★★
英語難易度:★★★
読了日:2014.10.30、2015.12.31

あらすじ

主人公の、ハリー・ハラーは、資本主義に侵されていく世間を軽蔑する一方、「世間からの同調圧力」と「自己を貫こうとする心」の、葛藤に悩む。
そんな自らを「荒野のおおかみ」と呼ぶ、中年のアウトサイダー、ハリーは、ひょんなことから、ヘルミーネという女性と出会い、彼女から、ダンスを習い、仮面舞踏会に出ることになるが・・・

私の感想、レビュー

(Basil Creighton訳、Walter Sorell改訂)

(一回目読了時、2014.10.30)

これは、私が今まで読んできた本の中でも、大好きな作品の一つです!
評価は、文句なしの、5点満点で、これからも、何度も読みたい作品です!

最初の、「AUTHOR'S NOTE」で、ヘッセ自身が、「これは、死や崩壊に向かう話ではなく、癒しに向かう物語」と言っているように、決して明るい話ではありませんが、読む度に、何故か心が落ち着き、癒されます。

1927年の作品ですが、今でも、かなり通じるところがあります。
また、ベートーヴェンやチャイコフスキー、ヘンデル、ブラームスやワーグナーなど、音楽の話も面白く、ゲーテやモーツァルトなども出てきて、非常に魅力的な作品です。

ただ、内容は、かなり難解で、特に、主人公ハリーの心の葛藤や思想、クライマックスの夢幻的なシーンは、一度読んだだけでは、良く分からなく、私は、この作品は、日本語版で、3回読み、今回、英語版を初めて読みましたが、まだまだ、分からないところも多いです。

ちなみに、「ヘルミーネ」というのは「ヘルマン」の女性形で、これは、ヘルマン・ヘッセ自身を投影しており、また、ハリーも、ヘッセの分身のようです。

ヘッセは、当時、母国ドイツが、ナチス政権下で、戦争に突き進んでいく中、平和主義を唱え続け、ドイツの新聞から、「裏切り者」というレッテルを貼られ、自身の本は発禁処分になり、鬱病になりながらも、同調圧力を利用した体制のマインドコントロールにも負けずに、自己を貫こうとした、「荒野のおおかみ」だったのかもしれません。

原作はドイツ語で、これは翻訳ですが、その英語も、一つ一つの文章が長かったり凝っていて、難しい単語もたくさん出てきます。
また、前述のとおり、内容自体も難解なので、余計、難しく感じると思います。

ただ、難しくて、良く分からないところも多々ありますが、私にとっては、読むたびに癒される、何度でも読みたくなる、そんな作品です!

私の感想、レビュー

(Basil Creighton訳、Walter Sorell改訂)

(二回目読了時、2015.12.31)

ヘルマン・ヘッセは私の大好きな作家の一人で、特にこの作品は、私は、日本語版で、3回読み、今回、英語版、2回目を読み終えたので、全部で、5回読んでいますが、何度読んでも飽きない、最高の小説です!

英語は、単語も難しく、一文一文が長いものが多く、また、副詞句の挿入も多いので、難易度は高めです。

英検1級くらいの実力があれば、英語自体は、大体理解できると思いますが、内容も難解なので、余計難しく感じるかもしれません。

上にも書きましたが、ヘッセは、自身が、平和主義者は少数派だったナチス台頭の時代に、戦争に反対し、母国のドイツから「裏切り者」のレッテルを貼られて、糾弾された経験を持ちます。

そのためか、多数派が少数派を虐げてしまう、功利主義、資本主義の世界で、社会から負のレッテルを貼られ、弱い立場に追い込まれている人の気持ち、人の痛みが良く分かるのだと思います。

そんなヘッセの優しさ、平和への想いが、文章からひしひしと伝わって来る、最高の作品で、私の愛読書の一つです。