Crime and Punishment

Crime and Punishment (Wordsworth Classics) Crime and Punishment (Signet Classics)
Crime and Punishment(Constance Garnett)
Crime and Punishment(Sidney Monas)
著者:Fyodor Dostoyevsky
発表年:1866
オススメ度:★★★★(一回目)
★★★★(二回目)
英語難易度:★★★
読了日:2013.09.03、2015.01.27

あらすじ

言わずと知れた名作、「罪と罰」で、原書はロシア語です。
主人公、Raskolnikov(ラスコーリニコフ)は、「害になる人間は、他の大勢の利益になるなら、殺しても良い」「ナポレオンは、たくさんの命を奪っても、英雄扱いされているんだ。俺が、害虫のような人間ひとり殺したところで、何が悪い」という「Casuistry(決疑論)」による結論を得て、ある人物を殺害する計画を立て、行動に移していくが、ある出来事をきっかけに、計画は狂い始める。
それによる、Raskolnikovの苦悩、そして、魂の再生の物語!

私の感想、レビュー

(一回目読了時、2013.09.03)(Constance Garnett訳)

初めて読みましたが、噂通り、最高に面白い作品でした!
単純に、ミステリーとして、サスペンスとして、推理小説として、ストーリーに、引き込まれます!

また、社会の矛盾に対する苦悩、自分の思想と世間の善悪の概念との葛藤、罪の償い方、人生の意味、家族愛など、様々なテーマが盛り込まれています。
心理描写も素晴らしく、会話が面白かったです!

個人的に、一番、ひっかかったのは、善悪の概念についてです。
ガンジー、ガリレオ・ガリレイ、キング牧師、坂本龍馬など、後に英雄とされる人は、当時の保守的権力からは、犯罪者扱い、危険分子扱い、テロリスト扱いされていた人が多いと思います。

善悪の概念は、相対的なもので、一方から見たら正義でも、他方から見たら悪でもあると思います。
今現在、世間から非難されている立場の人が、近い将来は、偉い人になり、今、多数派の人が、近い将来は、非難される立場になる、というようなことも、十分考えられます。

ですので、今現在、社会がそう言ってるからといって、それが正しいとは限らないなあと、考えさせられる本でした。
一つの客観的事実に対して、たくさんの主観的意見が、ありえますね。

英語も、さほど難しくなく、英検1級くらいの実力があれば、楽しめると思います。
英語が難しいためというよりかは、内容が深いために、分かりにくい所はある思います。

また、話の本筋と違う場面は、退屈に感じる所もありました。
あと、ロシア人の名前は、似たようなのが多く、同じ人物を指していても、人によって呼び名が変わるので、誰が誰だか、混乱しました笑

私の感想、レビュー

(二回目読了時、2015.01.27)(Sidney Monas訳)

一年数か月くらい前に読んだ本作ですが、なぜか、また、無性に読みたくなって、この度、再読を終えました。
感想は、「最高!」の一言です笑

読んだのが一年以上前だったので、忘れている部分も多く、面白すぎて、止まらなくなり、二度目だから、なるべくゆっくり読もうと思っていたのにもかかわらず、一気に読んでしまいました!

メインのストーリーは、知っていたため、今回は、少し、話の本筋からずれたシーンも、楽しむことが出来ました。

何と言っても、PorfiryとRaskolnikovの対決が、見どころです。
刑事コロンボや、古畑任三郎を、思い出しましたが、それもそのはず、古畑任三郎は、刑事コロンボが、モデルらしく、刑事コロンボは、この、見た目は冴えないが、実はやり手の敏腕予審判事、ポルフィーリ、がモデルなのだそうです。

私は、最初に、古畑任三郎を観て、次に、刑事コロンボ、そしてこの、罪と罰を読んだのが最後なので、作られた順番とは逆に、それぞれの作品を楽しみました。

関係のない話で、容疑者をイライラさせ、隙をついて、鋭い質問をしてくる、古畑任三郎、刑事コロンボ、ポルフィーリに、容疑者たちは、翻弄されますが、その描写が見事で、面白いなんてものではありません!

英語は、難しい単語もたくさん出てきますが、英検1級くらいの実力があれば、ストーリーの面白さに引っ張られて、すらすら読めると思います。
私は、前回読んだ時と比べて、より楽しめるようになっていて、読解力アップの実感があってうれしかったです。
前回は、Constance Garnett訳、今回は、Sidney Monas訳で、読み、後者の方が訳が新しく、読みやすかったこともあるかと思います。

思想的にも、「ラスコーリニコフは、なぜ殺人を計画しなくてはいけなかったのか?」「もし計画が狂わなかったら、彼の言う「非凡人」になれたのか?」などなど、色々と考えるのが面白いです。

ただ、彼の決疑論は、私個人的には疑問で、この世にいる全ての人に存在意義があると思います。

善悪の概念は、相対的なものですし、社会から「悪い」と言われている人が、「悪い人」として存在しているおかげで、社会から「善い」と言われている人は、「善い人」として存在できるということに、人を責めたり罰したりしたがる、多くの「自分が正しい」と思い込んでいる人は、気付いていないんじゃないかなあ、なんて思いました。

登場人物、それぞれの心理描写や、息をのむ殺人シーン、意外な出来事の数々、PorfiryがRaskolnikovを追い詰めていく過程、母と妹、友人のRazumikhin、娼婦のSonyaに支えられての心の再生、などなど、見どころ満載の、最高の文学作品です!

登場人物リスト

上記のとおり、ロシア人の名前が覚えにくいので、私は、登場人物リストを作って読みました。
主な登場人物は、以下の通りです。

● Rodion Romanovich Raskolnikov ”Rodya”(ラスコーリニコフ)
(本作の主人公で、元大学生)
● Avdotya Romanovna Raskolnikova ”Dunya”(ドゥーニャ)
(主人公、ラスコーリニコフの妹)
● Pulkheria Alexandrovna Raskolnikova
(主人公、ラスコーリニコフの母)
● Dmitri Prokofich Razumikhin(ラズミーヒン)
(ラスコーリニコフの友人)

● Praskovya Pavlovna Zarnitsyna
(ラスコーリニコフの下宿の地主)
● Nastasya Petrovna
(ラスコーリニコフの下宿の女中)

● Pyotr Petrovich Luzhin(ルージン)
(裕福な弁護士で、ドゥーニャの婚約者)
● Andrey Semyenovich Lebezyatnikov
(ルージンのルームメイト)

● Alyona Ivanovna(アリョーナ)
(質屋の老婆)
● Lizaveta Ivanovna
(アリョーナの義理の妹、ソーニャの友人)

● Semyon Zakharovich Marmeladov(マルメラードフ)
(アル中の、元官吏)
● Katerina Ivanovna Marmeladova
(マルメラードフの二番目の妻で、ソーニャの義母)
● Sofia Semyonovna Marmeladova ”Sonya”(ソーニャ)
(マルメラードフの娘、娼婦)

● Amalia Fyodorovna Lippevechsel
(マルメラードフ家の地主)

● Arkady Ivanovich Svidrigailov(スヴィドーリガイロフ)
(金持ちで、ドゥーニャの元雇い主)
● Marfa Petrovna Svidrigailova
(スヴィドーリガイロフの妻)

● Porfiry Petrovich Luzhin(ポルフィーリ)
(予審判事、ラズミーヒンの親戚、事件を担当)
● Alexander Grigorievich Zamyotov
(警察署の事務官)
● Nikodim Fomich
(警察署長)
● Ilya ”Gunpowder” Petrovich
(署長の部下)