独裁者

独裁者 [DVD]
原題:The Great Dictator
公開:1940
時間:124分
鑑賞日:2015.09.12
ストーリーの面白さ:★★★★
映像や音楽の美しさ:★★★★
作品の世界観の良さ:★★★★★
心が動かされること:★★★★★
非日常的刺激スリル:★★★★

私のオススメ度:★★★★★
英語難易度:★★★

※ 暴力・殺人描写あり

あらすじ

チャップリン演じる、ユダヤ人の床屋は、第一次世界大戦にて負傷、20年間、入院するも、記憶が混乱し、その入院が、つい数週間のものであると思っている。
そして彼は、病院から抜け出し、ユダヤ人街、ゲットーに戻るも、その間、政変があり、母国、トメニアは、独裁者ヒンケル(チャップリンの一人二役)に占領され、ユダヤ人は、弾圧されていた・・・

私の感想、レビュー

チャールズ・チャップリン、この名前は、当然聞いたことはありましたが、私は、彼の作品は、今まで観たことがなく、今回初めて観てみて、そのすごさに、本当に驚きました。

この映画は、完全に、チャップリンの独壇場で、監督、脚本、製作、主演、全て、彼で、「喜劇」としての面白さ、演技力、メッセージ性など、素晴らしいの一言で、評価は文句なしの、星5点満点です!

内容は、基本的には、ドタバタ喜劇で、展開が早く、ストーリーも面白くて、飽きません。

古い作品なので、鮮明さという意味の、映像の美しさはありませんが、ブラームスのハンガリー舞曲に合わせて、客の髭を剃るシーンなど、音楽と映像も合っていて、白黒の映像が、アンティークな意味で、綺麗に感じます。

また、戦場のシーン、飛行機のシーン、逃げる際に屋上で荷物を落とすシーン、などなど、大笑いさせられる場面も多々あり、笑えるという意味で、心が動かされる作品でもあります。

英語は、聞き取りにくいシーンと、聞き取りやすいシーンの、差が激しかった印象があります。

穏やかな場面での、普通の会話は、簡単で、リスニング力の低い私でも、楽に聞き取れるレベルですが、「軍人っぽい英語」というか、なんというか、あのハキハキし過ぎたトーンで、早口で話されるシーンは、かなり聞き取りにくく感じました。
私のリスニング力が低すぎるだけかもしれませんが、少なくとも私には、軍事関係のシーンは、難易度が高く感じました。

ただ、それ以外のシーンは、そんなに難しい単語やスラングも出てこず、チャップリンはイギリス人ですが、アクセントは、そんなにブリティッシュアクセントっぽい印象を受けず、早口なシーンも無くて、私でも、ほとんど聞き取れました。

1940年に公開された作品で、まだ戦時中に製作されており、当時のアメリカではユダヤ人に触れることはタブーだったようで、この映画の撮影中に、何度も脅迫を受けたらしいのですが、そんな、政治的圧力にも屈さず、メッセージを世界に届けた彼に、「喜劇王」と呼ばれるチャップリンの凄さを知りました。(ちなみに、この映画以降、彼へのバッシングがひどくなって、最終的には、赤狩りに遭い、チャップリンはアメリカから追放されています。)

「喜劇」としての面白さも、もちろんですが、何と言っても、最後のスピーチのシーン、チャップリンの渾身のメッセージが、本当に心に響く、映画というものの素晴らしさを再認識させられる作品でした。