to不定詞

不定詞とは、動詞が原形のまま使われるもののことです。
不定詞には、原形不定詞と、to不定詞とがあり、原形不定詞は、使役動詞や、知覚動詞とともに、使われます。
そして、この、to不定詞は、使役動詞のパターンのところでも、一応、出てきましたが、このページで、もう少し、詳しく書いていこうと思います。
to不定詞というのは、「前置詞「to」+動詞の原形」の形のことで、文中で、名詞(〜すること)、形容詞(〜するための)、副詞(〜するために)などの働きをします、

◆ 名詞的用法

● My dream is to travel around the world.
  俺の夢は、世界中を旅することだ。

● Not to dream is not to live.
  夢を見ないことは生きていないことと一緒だ。

● The dog wanted to pee.
  その犬は、オシッコがしたかった。

1番目の文では、前置詞「to」の後に、「travel(旅をする)」という動詞の原形が続き、「to travel(旅をすること)」という名詞的用法として使われています。
普通、他の前置詞句は名詞句にはなりませんので、この名詞的用法は、「to不定詞」独特の、使い方と言っていいと思います。
この文は、SVCの第2文型で、「my dream」が主語(S)、「is」が動詞(V)、そして「to travel」というto不定詞が、補語(C)になっています。

2番目の文では、、「to dream(夢を見ること)」「to live(生きること)」というto不定詞の名詞的用法に、「not」がついて、「not to dream(夢を見ないこと)」「not to live(生きないこと)」という意味になっています。
この文も、SVCの第2文型で、「Not to dream」が主語(S)、「is」が動詞(V)、「not to live」が補語(C)になっています。

3番目の例では、「to pee」というのがto不定詞で、動詞「want」の目的語になっています。
この文は、SVOの第3文型で、「the dog」が主語(S)、「wanted」が動詞(V)、「to pee」が目的語(O)になっています。
「want peeing」とは言わず、この「want」は、動名詞を取らず、to不定詞を取ります。
上の「want」の他に、「decide」「hope」「afford」など、動詞によっては、動名詞を取らず、to不定詞しか取らないものがあります。

◆ 形容詞的用法

● I want the ability to become invisible.
  透明人間になる能力が欲しい。

上の文では、「to become」が、to不定詞です。
前置詞「to」の後に、動詞「become(〜になる)」の原形が続いて、前の、「the ability(能力)」という名詞を修飾しているので、形容詞的用法です。
「invisible」は、「目に見えない」という意味で、ここでは、「自分という人間が目に見えない状態」、つまり、「透明人間」という意味になります。
「能力←透明人間になる」
この文は、SVOの第3文型で、「I」が主語(S)、「want」が動詞(V)、「the ability to become invisible」が目的語(O)です。

◆ 副詞的用法

● The dog stopped peeing.
  その犬は、オシッコをするのをやめた。

● The dog stopped to pee.
  その犬は、オシッコをするために、立ち止まった。

上の文は、「peeing」というのが動名詞で、動詞「stop」の目的語になっています。
この文は、SVOの第3文型で、「the dog」が主語(S)、「stopped」が動詞(V)、「peeing」が目的語(O)になっています。

一方、下の文は、「SV 副詞句.」の形、SVの第1文型です。
「The dog stopped.」だけで、「その犬は立ち止まった」という意味になります。
それに「to pee」というto不定詞がくっついています。
この「to pee」は、副詞的用法になり、動詞「stopped」を後ろから修飾しています。
「立ち止まった←オシッコをするために」

この上の2つの文は、間違えやすいので、注意が必要です。
最初の「stop」は他動詞で、次の「stop」は自動詞です。
ただ、特に初心者のうちは、あまり、文法的な区別を細かくするより、下のように覚えておくだけでいいと思います。

「stop 〜ing」で「〜するのをやめる」
「stop to 〜」で「〜するために立ち止まる」

意味がわかって、自分でも正しく使いこなせるなら、わざわざ文法的なことを細かく分析する必要はないと思います。

また、この「stop」と似たようなものに、「forget」や「remember」があり、以下のような意味になります。

「forget 〜ing」で「〜したのを忘れる」
「forget to 〜」で「〜し忘れる」

「remember 〜ing」で「〜したのを覚えている」
「remember to 〜」で「忘れずに〜する」

◆ 慣用句的用法

この他に、「to tell the truth(本当のことを言うと)」「so to speak(いわば)」などの、慣用句的表現があり、これらは、独立不定詞などと呼ばれますが、最初は、単純に、熟語として覚えてしまえばいいと思います。

● To tell the truth, it was me who farted then.
  実を言うと、あの時、オナラをしたのは、アタシだったんだ。

● So to speak, exhaust gas is car fart.
  いわば、排気ガスは、車のオナラだ。

◆ 最後に

このように、前置詞は、本来、名詞の働きをするものがあとに続いて、形容詞句(名詞を修飾する)か、副詞句(動詞、形容詞、副詞、文全体など、を修飾する)になるものですが、この、いわゆる、「to不定詞」と呼ばれる時の、前置詞「to」は、特別で、あとに、動詞の原形が続き、形容詞句や副詞句だけでなく、名詞句にもなります。

ただ、もちろん、他の普通の前置詞と同じように、あとに名詞が続く「to」もあります。
例えば、ツェッペリンの、名曲、

● stairway to heaven
  天国への階段

は、「heaven(天国)」という名詞が、「to(〜への)」という前置詞に続き、「stairway(階段)」という名詞を修飾しています。
名詞を修飾するのは形容詞なので、この場合は、この「to heaven」という前置詞句は、形容詞句になります。

以上、to不定詞についてでした。
to不定詞は、上に挙げた、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法、の3つが基礎になります。
ただ、初心者のうちは、最初は、細かいことは気にしなくてもいいと思います
特に、上のような「〜的用法」というのは、どちらとも取れる場合もあるので、言語学者になりたいとかでない限り、細かいことは、気にしなくても大丈夫です。
これらを、さらに細かく、いろいろ分類することも出来ますが、最初は、細かいことは気にせず、基礎をしっかり頭に入れていけば問題ありません!