英検1級2次試験面接のQ&Aのコツ 3

英検1級2次試験面接のQ&Aのコツ英検1級2次試験面接のQ&Aのコツ 2に、引き続き、今回は、英検1級2次試験面接のQ&Aのコツ、第3段、「ethos」「pathos」「logos」についてです。

まず、この3つは何か?ですが、これは、英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニングの18ページに載っている、効果的に、説得力のある話しかたをするのに使える方法で、以下のようになります。

@ ethos(民族精神、社会通念、常識、伝統、道徳、倫理)
A pathos(感情)
B logos(論理)

これだけでは、分かりにくいかもしれませんが、例えば、クマの被害と、捕獲したクマの処分の問題に関して、

「人間が動物の命を奪うことは正しい事なのか?」というのが、@の「ethos」
「殺しちゃうなんて、クマがかわいそう!」というのが、Aの「pathos」
「絶滅の危機に瀕している種もあり、生態系に悪影響を及ぼすので、共存するべき」というのが、Bの「logos」

です。
そして、日本文化では、@とAが重視され、倫理中心、感情中心に話を進めるのに対し、英語圏では、Bが重要視され、論理的に、客観的事実と言う根拠に基づいて、話を進めます。
ですので、英語のエッセイやスピーチでは、この「logos」を意識して、「客観的事実」で、自分の「主観的意見」をサポートしながら主張をするのが効果的と言うわけです。

また、世の中を見渡してみると、至る所で、この3派、またはこの中の2派で、対立が起こっている事に気付くと思います。
(もちろん、「ethos」VS「ethos」、「pathos」VS「pathos」、「logos」VS「logos」の場合も多々あります)
例えば、

pathos派:「〜するのは止めてほしい!」
logos派:「何で?理由は?」
pathos派:「嫌なものは嫌なの!」

とか、

ethos派:「日本人は髪が黒であるべきだ!髪は染めるべきではない!」
logos派:「髪を染めると何がどういけないの?それはただのステレオタイプではないか?」
ethos派:「屁理屈を言うな!大体、昔は髪を染めてる人なんて誰もいなかったんだ!日本人は黒髪で十分!」

などです。
英検1級2次試験面接のQ&Aのコツ 2でも書きましたし、上の例でも分かる通り、「ethos」「pathos」の最大の欠点は、「主観的すぎる」ことです。
面接官が自分と似た価値観の持ち主なら共感してくれるかもしれませんが、違った場合は、まったく説得力のない主張になってしまいます。
「嫌なものは嫌」では、理由になっていなく、昔からあるものを正しいと決めつけていて今を否定するのは、論理的ではありません。

ただし、主張部分は、主観的でも、そのあとに「客観的事実」となるサポート文が付けば、話は別です。
上記の事を意識して、客観的根拠を基に話を進める、Bの「logos」のやり方で話すのが重要です。

ちなみに、上の例は、英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニングの、40〜69ページの、「してはいけないアーギュメントの原則」を参考にして、作ってみました。
これらは、非常に重要ですので、英語のエッセイを書く時やスピーチをする時は、必ず気を付けておきたい事です。
一つ目は、65、67ページを参考に、二つ目は、56ページを参考にさせてもらいました。
これら以外にも、してはいけないアーギュメントの例が載っていて、特に、私たち日本人が陥りやすい間違いに触れていますので、目を通しておくことをオススメします。

以上、こんな感じで、英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニングを参考にさせてもらい、「ethos」「pathos」「logos」について書いてみました。
ただ、上記の事は、あくまでも、「アーギュメント」においてです。
「日常会話(特に日本語の)」は「アーギュメント」ではありませんので、普段は、この「ethos」「pathos」「logos」を、バランス良く、どれも大切にしていきたいと思っています。
昔からの伝統や常識を大切にすることは、本当に素晴らしい事だと思いますし、人の気持ちを考える事は、とても大切だと思います。
また、「本来、人間は感情で行動し、自分の感情と行動を正当化するために、倫理と論理を根拠に使う」というのも良く聞く話ですので、「ethos」「pathos」も大事にしていきたいですね。
ただ、「アーギュメント」「英語のスピーチ」「英語圏の人との会話」では、「logos」を意識して話すことが重要で、「ethos」「pathos」、特に「ethos」は向いていません。

トレーニング方法としましては、やはり、人の話を聞いて、その人が、いま、「ethos」「pathos」「logos」の、どこで話しているのかを考えるというのが良いと思います。
直接話さなくても、テレビの人物の話や、文章でも、それが出来ますね。
すると、確かに、日本人は、「ethos」「pathos」重視で、話を進める人が多い事に気付くと思います。

また、自分の頭の中でも、自分は、いま、「ethos」「pathos」「logos」のどこで物を考えたのかということを意識すると、いいトレーニングになります。